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2024年11月8日

【コラム】古家付き土地は解体して売却するべき?

親から相続した実家を売りたいけれど、築年数が経っており売れるか不安…

いっそのこと更地にした方が売れるかも…

古家付きの土地を売却を検討している方でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
相続したものの、活用予定がない、転勤などで空き家になってしまったなど、売却を検討中の際、どちらが高くスムーズに売れるかは気になるポイントでしょう。

今回は、古家付き土地の売却方法やメリット・デメリットについてご紹介します。


 

1.古家付き土地とは?

「古家付き土地」とは、古い家屋が経っている状況の土地のことを指します
古家付き土地に明確な基準はありませんが、築20年以上の住宅は「古家」とされることが多いです。

また、築年数は20年を超えた戸建は資産価値がゼロになると言われています。(木造住宅の法定耐用年数は22年とされています。)

そのため、古家は老朽化が進んでいるケースが多く占めますが、リフォームなど手を加えることで住める住宅もあります。

古家付き土地は、古家の解体費用がかかることを踏まえて、更地の土地よりも価格を下げて販売されることが一般的です

 

2.古家付き土地の売却方法

古家付き土地の売却方法としては

古家付きのまま土地として売却する
古家を解体して更地にして売却する

古家付き土地でももちろん売却できないわけではないですが、一般的には更地の方が売却しやすいと言われています。

しかし、最近はDIYブーム・古民家ブームということもあり買主自身でリノベーションをしたりなど一部ではニーズがあります。

売却方法としては、まずは古家付き土地として解体せずそのまま売り出してみてはいかがでしょうか

 

3.古家付き土地で売却するメリット・デメリット

3-1.古家付き土地で売却するメリット

解体費用がかからない
固定資産税を節税できる
法定耐用年数以上の古家は契約不適合責任が免責に
家を建てたときのイメージがしやすい
住宅ローンが適用される

 

メリット解体費用がかからない

古家付きの土地のまま売却するケースでは、売主が古家を解体する手間やコストを省くことができるというメリットがあります。
解体費用は坪単価3万円~が相場といわれており、100坪で300万円かかる計算です。

古家付きのままで売却できれば、大幅な解体費用の節約になります。

 

メリット固定資産税を節税できる

不動産を所有している場合、毎年税金を納めなければなりません。
土地の上に家が建っている状態であれば、土地にかかる固定資産税や都市計画税に減税の対象となります。(住宅用地の軽減措置特例)

※京都市HPより参照

家屋を取り壊すと、この減税措置を受けられなくなるため、固定資産税が増額します

家屋を残したままであれば売却期間が長引いても、固定資産税は減税されたままであるため、焦ることなく売却活動を行うことができます。

 

メリット法定耐用年数以上の古家は契約不適合責任が免責に

木造住宅の場合、法定耐用年数22年を経過した古家の資産価値はほぼゼロに等しいと言われています。

そのため、物件売却の際についてくる契約不適合責任が免責になることケースがほとんどです。
また、法定耐用年数以内の建物の場合は契約不適合責任があるので、取り壊して更地にして売却するケースが多いようです。
契約不適合責任のない古家の場合は責任を問われないので、管理義務を手放してそのまま売却できるというメリットがあります。

 

メリット家を建てたときのイメージがしやすい

家が建てられている状態であれば、買主は新しく家を建てた時のイメージがしやすくなります。
更地の状態では、実際に建物を建てた状態がイメージしづらいという問題があります。

各部屋からの陽当たりや、ベランダからの眺めなど家が建っているからこそわかる情報も沢山あります。

 

メリット住宅ローンが適用される

更地(土地のみ)だと住宅ローンなどの融資が受けにくく、審査も厳しくなりやすいというデメリットがあります。

しかし、古家付きの土地は、一般的に住宅ローンの融資が通りやすく、住宅ローンの利用を検討している買主にとっては購入しやすいです。

買主側にメリットがあれば売却しやすくなるので、売主にとっても大きなメリットでしょう。

 

3-2.古家付き土地で売却するデメリット

希望の売却価格より安くなることが多い
買主が見つかりにくい

 

デメリット希望の売却価格より安くなることが多い

残っている古家の状態にもよりますが、通常解体費用を買主側負担で売却します。

そのため、「古家付き土地」の価格は相場よりも低く設定しなければ売却が難しいのが実情です。

しかし、解体するより、リフォームしてそのまま使い続けてもらった方が安上がりだと考える売主もいるでしょう。

 

デメリット買主が見つかりにくい

古家を解体して建て替えたり、そのまま居住したりするにしても大規模なリフォームが必要な場合には、購入してから買主が暮らし始めるまでに費用も時間もかかります。

そのため、一般的には古家付き土地として売却すると買手が見つかりにくく売却しにくいと言われています。。

購入者が見つかるまでに時間がかかると予想されるため、売却期間を十分に確保できない場合は更地にして売却・リフォームをするなどの対策も検討してみるのも有効でしょう。

 

4.古家付き土地の売却にかかる費用

次に、古家付き土地を売却するときにかかる費用を紹介します。

不動産仲介手数料
取り壊しに必要な諸費用
土地の評価費用
登記や抵当権抹消などに必要な費用

 

不動産仲介手数料

不動産仲介手数料とは、不動産会社に仲介に入ってもらい売買を行った際に必要な費用です。

売買代金ごとに限度額が設定されています。

取り壊しに必要な諸費用

先ほどご紹介した通り、古家付き土地は買い手がなかなかつかない・売却価格が低くなるなどのデメリットがあります。
そのため、古家を解体して売却する場合には解体費などが必要となる可能性もあります。

土地の評価費用

土地の評価費用とは、土地の価値を評価するために不動産鑑定士による評価が必要な場合、その評価費用がかかります。評価費用は評価士の料金に基づいています。

調査費用は、調査する内容によっても異なりますが、15万円~30万円程度を相場として見込んでおくと良いでしょう。

登記や抵当権抹消などに必要な費用

登記や抵当権抹消などに必要な費用には、主に3種類あります。まず、土地の所有権の変更に伴う登録免許税です。

そして、売却予定の古家に住宅ローンが残っている場合には、抵当権抹消登記のための費用が必要です。

さらに、これらの手続きを司法書士に依頼した場合、司法書士への依頼料が発生します。しかし、売却にはこれらの費用だけではなく、次のような税金もかかります。

譲渡所得税
印紙税
固定資産税

 

5.古家付き土地で売却した方がいい場合

下記のような場合には古家付きのまま売却することをおすすめします。

建物に価値がある
解体費用をかけたくない
再建築不可物件の場合

 

建物に価値がある

建物が比較的新しく、実生活の中で使う分には問題がないとみなされる場合は、古家付きのまま売却した方が高値が期待できます。
例えば、古民家やカフェとして利用するなど、古くても伝統的な建物であれば人気が出る可能性はありますし、最近は、地方の古い家をリノベーションして暮らしたいと考えるニーズも徐々に増えてきています

解体費用をかけたくない

古家の解体には100万~300万円程度の費用がかかり、建物の構造や大きさによってはそれ以上かかることがあります。

土地の査定額より解体費用の方が高く、できるだけ費用の負担を減らしたい場合はまずはそのまま売りに出してみましょう。

再建築不可物件の場合

建築基準の改正で建て替えが不可能な土地や市街化調整区域の場合、古家を解体せずに売るようにしましょう。一度解体してしまうと、また新たに建物を建てることができない土地になりますので、資産価値が非常に下がってしまいます。

 

 

6.まとめ

今回は古家付きの土地の売却についてご紹介しました。
相続などで所有したのはいいものの、どうしたらいいかお悩みの方が増えています。
特に所有する空き家が遠方の場合には、管理に足を運ぶことも難しく、人の管理が行き届いていない状況に陥りがちです。
人の管理が行き届いていない空き家は老朽化のスピードが早くなります。
そうすると、ますます建物の資産価値が下がってしまいます。

売れないかもと思っていた家でも、思わぬところに魅力を感じてくれる購入希望者がいるかもしれません。
売却にあたり、更地にすべきどうか判断に迷ったときは、まずは「古家付き土地」として売却活動を始め、状況に応じて解体や買取などの検討してみてはいかがでしょうか。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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