
2025年4月8日
【コラム】空き家の管理できていますか?
総務省「住宅・土地統計調査」(2024年)によると、全国の空き家総件数は2018年の849万戸から2023年時点で900万戸と、51万戸の増加で過去最多という結果が公表されました。
そして、増え続ける空き家が、管理されず放置され、近隣に悪影響を与えてしまう事例が増加しています。
今回は、空き家を管理せず放置することのリスクと管理の方法を紹介します。
1.増え続ける空き家
国内の空き家は、少子高齢化や人口減少・世帯数の減少が進んでいることを背景に増加の一途をたどっています。
数年後には世帯数の減少がすると予測されているにも関わらず、
国内の総住宅数は、6502万戸と前回調査時の2018年と比較し、4.2%(261万戸)の増加となり、需要のある地域への住宅の供給は今後も増えることが予測されており、これまでの政策を大きく転換しない限り、今後も空き家が減少することは難しいでしょう。
2.空き家が増えることで起こるリスク
こうして増え続ける空き家が、適切な管理がされず放置されてしまうと、近隣に悪影響を及ぼしてしまいます。
例えば、空き家の敷地内にゴミが不法投棄されてしまったり、荒廃・老朽化により景観上の問題が生じる可能性も。
また、空き家が犯罪の拠点になる可能性もあり、地域の治安悪化、放火、空き巣などの犯罪も増加しています。
また、空き家を放置することは、近隣に悪影響を及ぼすだけではなく、空き家の所有者にとっても大きなリスクが生じます。
例えば、建物の一部が倒壊し、通行人や近隣の方に損害を与えた場合には所有者には民法第717条による損害賠償責任を負う可能性もあります。
3.空き家を放置しておくと税金の負担が増える可能性も…
倒壊の危険性が高いなど、近隣に著しく悪影響を及ぼす空き家と行政から判断されると「特定空家」として
行政より所有者に対して適切に管理を行うように「助言」・「指導」を行います。
それでも改善がみられない場合には、「勧告」・「命令」を行います。
所有者が行政の命令に従わない場合、50万円以下の過料に処される場合があるほか、行政による強制撤去の可能性も。
また、「特定空家」に指定された空き家は「固定資産及び都市計画の軽減措置」の対象外となり、
最大固定資産税が6倍、都市計画税が3倍になる可能性も…。
空き家を適正に管理行われていない場合には、周辺への悪影響を及ぼす危険性や税金の負担が増える可能性もが生じます。
そのため、空き家は正しく適正に管理することが必要となります。
4.空き家の管理方法は?
上記でもお伝えしました通り、空き家の管理は所有者の義務となります。
国土交通省では、増え続ける空き家の管理を周知するために「空き家管理チェックリスト」を公表しています。
今回は「空き家管理チェックリスト」を基に空き家管理のポイントをご紹介します。
■今すぐ確認!空き家管理チェックリスト■
①定期的に下記の管理を行っていますか。
【外観】
①建築物全体が傾いていませんか。屋根が全体的に変形していませんか。
②外装材などにはがれ、破損や汚損はありませんか。また不法侵入につながるような窓の破損はありませんか。
③屋根材のはがれ、破損や汚損はありませんか。軒の脱落、傾きなどは生じていませんか。
【屋内など】
①柱、はりなどが破損、腐朽していませんか。雨漏りの跡がありませんか。
②アスベストが露出していませんか。
③浄化槽の破損や排水設備の封水切れにより悪臭や不衛生な状態が生じていませんか。
【敷地内】
①敷地内にゴミが散乱して景観を損なっていませんか。腐敗して悪臭や不衛生な状態が生じていませんか。
②門、塀や屋外階段に傾きや破損はありませんか。擁壁にひび割れなどはありませんか。
③立木の幹が腐ったり、大枝が折れたりしていませんか。枝がはみ出して、通行障害などになっていませんか。
④動物が棲みつき不衛生な状態や悪臭・騒音が生じていませんか。隣家などへの侵入は見られませんか。
上記の通り、空き家を適正に管理するためには多くの管理項目があります。
また、空き家の管理は最低でも月に1回は行うことが目安ともいわれています。
しかしながら、遠方に住んでいるため頻繁に管理することができない場合やご家庭・仕事の都合などで管理が難しい方も多いのではないでしょうか。
しかし、空き家を適切な管理を行わずそのままにしておくと近隣へ悪影響を及ぼす恐れの他、
「特定空家」に認定されると固定資産税が最大6倍になる可能性もあり、そのまま放置することは様々なリスクを抱えることとなります。
5.そのまま放置は危険!空き家の活用対策はお早めに!
上記でもお伝えした通り、空き家を放置することは様々なリスクが生じます。
また誰も住んでいない住宅は劣化のスピードが早く、放置している間にどんどん住宅の資産価値が下がってしまいます。
空き家の管理が難しい・負担に感じる…そんな場合は下記の活用を検討してみてはいかがでしょうか?
活用方法①空き家のまま売却
空き家を管理することは費用や労力も必要となります。
長年愛着のある実家を手放すことは、寂しい思いをすることにはなるかもしれませんが、
空き家を維持し続けるための費用や労力の負担がなくなり、倒壊などのリスクも排除することができます。
活用方法②空き家の活用サービスを利用
空き家の立地を生かし、収益を得ることができる可能性もあるでしょう。
立地条件や広さによってさまざまな活用方法が考えられます。
空き家をそのまま活用する手法としては、
賃貸、シェアハウス、民泊、カフェや地域のコミュニティ施設として活用するなどの方法があります。
ですが、空き家はもともと古い建物なので、活用するためには多額のリフォームが必要なケースもあります。
あまり費用がかかりすぎると、リフォーム費用が回収できないリスクもあるので注意が必要です。
最近では、DIY賃貸といったリフォームをしない代わりに安い家賃で賃貸し、
入居者が自由にリフォームやリノベーションができるような賃貸方法もあります。
また空き家を所有する人と空き家を買いたい人と繋げるサービスなどを提供する企業などもあります。
活用方法③解体して更地として売却
空き家の維持管理コストの負担が重く、活用も難しい場合には解体も選択肢のひとつとなります。
空き家を解体するメリットとしては、建物自体の管理をする必要がなくなることです。
また一般的に老朽化した建物が建っている土地より更地の方がより早く、より高く売却することができます。
自治体によっては、空き家対策の一環として空き家の解体に補助金を出している場合もあります。
空き家の解体を検討する際は、利用できる制度が無いか、空き家の所在する自治体に事前に確認することをおすすめします。
活用方法④空き家管理代行サービスを活用する
所有している空き家が遠方にあるため、なかなか定期的な管理ができないというご相談も多くいただきます。
このようなケースは、管理の費用はもちろん時間や労力も必要となり精神的な負担も大きくなるでしょう。
近年空き家問題が注目されており、空き家の管理代行サービスを提供する会社が増えています。
空き家管理代行サービスを活用することで、定期的な管理が不要となり、資産価値が下がるのを防ぐことができます。
しかし、管理代行サービスは費用がかかりますので長期的に見ると経済的な負担が増えることとなるのでご自身のご状況をふまえて検討してみてはいかがでしょうか?
6.まとめ
今回は空き家の「管理」について紹介しました。
空き家をそのままにしておくことは様々なリスクが生じます。
また昨今、空き家を狙った犯罪も増えており、人の出入りが少ない空き家は特に注意が必要です。
空き家の活用については、それぞれのメリット・デメリットがあります。
ご自身の状況にあった活用方法を選択することが重要となりますので、ご家族や親族間でしっかりと話し合ってみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
参考:国土交通省「空き家の管理のやり方」
国土交通省「空家法とは」