2024年12月3日
【コラム】空き家の瓦屋根の耐震・耐風対策してますか?
近年、台風や大雨による災害が毎年のように発生し、私たちの暮らしに大きな影響をもたらしています。
その原因のひとつとして地球温暖化が挙げられています。
近年は台風の勢力が増しており、その背景としては日本近海における海面水温の上昇があると考えられています。
実際に、令和元年(2019年)に千葉市付近に上陸した台風15号は、住家被害が全壊391棟、半壊・一部破損が76,483棟、床上・床下浸水が230棟と大きな被害となりました。
今回は、近年発生する大型台風被害を防ぐために義務化された「屋根ふき材に対する強風対策」についてご紹介します。
1.勢力を増す台風
近年、台風による降水や強風、それに伴う河川氾濫や土石流・斜面崩壊・高潮・高波により
人的被害・経済被害・建物への被害、農作物への被害、ライフラインの停止など、台風による影響が
連鎖することで大きな甚大な被害が発生していますが、今後地球温暖化がさらに進行するとさらに被害が高まる可能性があります。
近年の甚大な台風被害のひとつの令和元年(2019年)房総半島台風は、令和元年9月7日から8日にかけて小笠原近海から伊豆諸島付近を北上し、同月9日3時前に三浦半島付近を通過して東京湾を進み、同日5時前に強い勢力で千葉市付近に上陸しました。
その後、同日朝には茨城県沖に抜け、日本の東海上を北東に進み、台風の接近・通過に伴い、伊豆諸島や関東地方南部を中心に猛烈な風、猛烈な雨となりました。
この台風により、死者3名(千葉県2名、東京都1名)、重傷者13名、軽傷者137名となりました(消防庁情報、令和元年12月23日現在。)
住家被害については、全壊が391棟、半壊・一部損壊が76,483棟、床上・床下浸水が230棟が報告されています。(消防庁情報、令和元年12月23日現在。)
この台風の影響で、記録的な暴風により、送電線の鉄塔や電柱の倒壊、倒木や飛散物による配電設備の故障等が発生し、首都圏をはじめとして最大約93万4,900戸の大規模な停電が発生しました。
電力に関しては、現場の被害状況の確認や倒木の処理に時間を要したこと等により、復旧作業が長期化するなど、大きな被害が生じました。
この長期間にわたる停電の影響により、通信障害が発生したほか、多くの市町村で断水等のライフラインへの被害や、鉄道の運休等の交通障害が発生し、住民生活に大きな支障を及ぼすこととなりました。
また、想定を超える高波により、護岸が損壊し、背後に立地する企業の浸水被害が発生しました。
政府は上記の被害状況を踏まえて、令和4年1月1日より「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に準拠した「ガイドライン工法」を建築基準法の告示基準に位置付け、新築時の全ての建築物に義務付けました。
2.古い瓦屋根は注意が必要です
屋根のメンテナンスの目安としては、屋根材の種類によっても異なりますが、おおよそ15~20年に一度の定期点検が推奨されています。
特に古い瓦屋根では、地震や強風によって被害を受ける可能性が十分に考えられます。
またお住まい・所有している空き家の瓦屋根が安全であるかどうかを診断する「耐風診断」と、安全な瓦屋根に改修する「耐風改修」に補助金が受けられる場合がありますので、お住まいの地方公共団体や、瓦工事業者である瓦屋根診断技士、瓦屋根工事技士、かわらぶき技能士などに相談してみましょう。
全日本瓦工事業連盟ホームページの「加盟工事店の検索」から、お近くの工事店を検索することができます。
詳細はこちら http://www.yane.or.jp/meibo/meibo.cgi
3.瓦屋根の改修費用の目安は?
瓦屋根改修の工事費の目安は、
屋根面積(㎡)×屋根面工事単価(円/㎡)
+ 棟長さ(m)×棟工事単価(円/m) の合計
①まずは屋根面積と棟長さの計算から
屋根には勾配があります。
上から見た面積に比べて、
この勾配分の面積を加算する必要があります。
「一般的な勾配(4/10)」では1.1倍、
それ以上の「急な勾配」では 1.2倍
することで、簡易に屋根面積を計算できます。
屋根面積(㎡)=A(m)×B(m)×C
↓
■ 計算例 屋根の長辺 A=12m、屋根の短辺 B=10m、屋根勾配(一般的) C=1.1
屋根面積(㎡)=12(m)×10(m)×1.1=132(㎡)となります。
※一般財団法人日本建築防災協会「瓦屋根の改修工事のススメ」より参照
②屋根面積に屋根面工事単価を、棟長さに棟工事単価を 2 乗じて、工事費目安を算出します。
工事費目安=【屋根面積】(㎡)×屋根工事費用単価(\17,500)(円/㎡)※13,000~23,000円(あくまで目安です。)
+【棟長さ】(㎡)×棟工事単価(\6,500)(円/㎡※5,000~7000円(あくまで目安です。)
↓
■ 計算例 屋根面積132㎡、棟長さ12m
工事費目安 = 132(㎡)× 17,500(円/㎡)
+ 12 (m)× 6,500 (円/m)=約240万円
※この例では、おおよそ200 ~ 300万円となります。
4.国や地方自治体の支援制度について
屋根ふき材に対する強風対策を実施する際には、国や地方公共団体による支援制度を活用できる場合があります。
地方公共団体によっては、独自の支援制度を設けていることもありますので、お住まいの市町村や都道府県の窓口にお問い合わせ下さい。
補助制度①住宅・建築物安全ストック形成事業
※国土交通省:「令和4年1月1日から瓦屋根の緊結方法が強化されます」より
補助制度②⾧期優良住宅化リフォーム推進事業
※国土交通省:「令和4年1月1日から瓦屋根の緊結方法が強化されます」より
5.まとめ
今回は、令和4年1月1日より施行された「屋根ふき材強風対策」についてご紹介しました。
ご紹介しました通り年々台風の勢力は増しており、今まで被害が少なかった地域においても台風の影響を受ける可能性も十分に考えられます。
特に空き家は定期的な管理が十分でないケースも多く、台風による影響を大きく受ける可能性が高くなります。
万が一、台風により建物が全壊・一部倒壊し周辺住民などに被害を与えた場合には損害賠償が発生する可能性も考えられます。
被害を最小限に抑えるためにも定期的なメンテナンス・診断・改修の実施が推奨されています。
しかしながら、
所有する空き家が遠方にあるため管理できない…
今後空き家に住む予定もなく改修費用をかけたくない…
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
住んでいない空き家を管理することは時間も費用もかかります。
今後、活用予定のない空き家は売却や解体を検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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FAX:077-535-9225
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※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
出典:国土交通省:令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の強風対策
令和4年1月1日から瓦屋根の緊結方法が強化されます
一般財団法人日本建築防災協会「瓦屋根の改修工事のススメ」