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2024年6月27日

【コラム】空き家がもたらす外部への影響とは?

こんにちは、リユースせいわです。
全国で問題となっている空き家問題。
空き家・空き地などが増えると周辺外部へ悪影響を及ぼす可能性があります。
今回は「空き家がもたらす外部への影響」について深掘りしていきたいと思います。


 

1.空き家・空き地の現状

少子高齢化・人口減少に伴い、適正な管理がなされていない空き家・空き地が増加し、周辺に悪影響(外部不経済)をもたらす土地利用が増加しています。

 

 

国土交通省の調査によると、約7割の全国の市区町村にて上記のような外部不経済をもたらす土地利用が発生していると回答しました。

周辺への影響の内訳は以下の通りとの調査結果が公表されています。

上記のグラフをみると、すべての適正な管理がなされていない空き家・空き地の事象において「ゴミなどの不法投棄等を誘発」「風景や景観の悪化」などの問題が発生していることがわかります。

また、空き地・空き家・空き店舗、廃屋・廃墟等の事象においては、「防災や防犯機能の低下」につながるとの回答割合が高くなりました。

 

2.市区町村の「空き家・空き地」対応の苦労とは

上記のように適正な管理がなされていない「空き家・空き地」が増えると、ゴミ問題や景観の悪化、防犯・防災面において悪影響を及ぼすことがわかりました。

市町村としても上記の問題を防ぐために対応に追われていますが、その対応の際に様々なハードルが生じています。
では一体、どのような要因で市区町村が対応に苦労しているのかご紹介します。

■管理水準の低下した空き地の対応

◎発生要因(例)
・住宅開発時に購入された土地が、所有者の経済的事情、遠隔地居住等により、利用されずに放置。
・所有者の高齢化や死亡により住居を撤退した後も、利用用途がないままに放置。 等

◎自治体が対応に苦労している要因
・ 所有者の経済的事情や遠隔地居住等により、管理や利用を指導しても対処してもらえない。
・管理の指導を要する空き地が多く、行政のマンパワー不足等により対応が困難。また、強制的な措置を講ずるためには、時間と費用がかかる。
・相続により権利関係が複雑になっていること等により、所有者を特定することが困難。 等

 

 

■管理水準の低下した空き家、廃屋・廃墟等

◎発生要因
・過疎化、高齢化等により利用者がい なくなった後もそのまま放置。 等

自治体が対応に苦労している要因
・所有者と利用者とのマッチングに苦慮(所有者は貸すことに躊躇、利用者は賃借や購入への不安等)。
・空き家にあわせて農地を利用・処分したくても農地関係制度等との関係で利用・処分が困難。
・空き家のある住宅地の周辺に新規の住宅開発があり、空き家の利用者がいない。
・相続により権利関係が複雑になっていること等により、所有者を特定することが困難。
・建築や紛争等の関係法令等の専門的な知識を有する職員が不足。 等

 

上記のように、所有者の経済状況や遠方に住んでおり、管理や利用の指導の対処ができないことや、
相続による権利関係が複雑化し、所有者を特定することが困難であるため対応に苦労していると回答結果となりました。

 

3.空き家・空き地の管理・活用などの取り組み

上記のような外部不経済をもたらす「空き家・空き地」の問題に対処するため、行政や地域住民などにより様々な取り組みが実施されています。

下記では一部抜粋ご紹介させていただきます。

 

①空家法の改正により、空き家対策の強化

令和5年(2023年)12月13日に改正空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。(以下、空家法)
改正前の空家法は、対象となる空き家が特定空家に指定される前の段階では、各自治体は指導や勧告といった措置をとることが出来ず、特定空家になってからでは対応に限界がありました。

そこで令和5年(2023年)に空家法が改正され、周囲に悪影響を及ぼす特定空家になる前の段階から各自治体の指示が行えるよう、新たに「管理不全空家」に対する措置が新設されました。

 

これは、放置すれば特定空家になる可能性のある空き家を、各自治体が管理不全空家に認定し、管理指針に即した管理を行うことを空き家の所有者に指導できるようにするものです。
各自治体からの指導をしても改善しない場合には、各自治体は勧告を行うことができ、勧告を受けた管理不全空家は、特定空家と同様に、敷地にかかる固定資産税などの軽減措置の適用を受けることができなくなります

 

その他以外にも、各自治体が地域活性化の観点から空き家の活用を促進すること、特定空家に指定されたのちの措置をより円滑に行えるように改正されました。

 

空家等活用推進区域(法第7条、第16条~第20条)

各自治体は、経済的社会的活動の促進のために空き家などを活用するエリアを「空家等活用促進区域」に定めることができるようになりました。
この区域内では、各自治体は空き家の所有者に対して、空き家の活用を要請することができるようになりました。
また、建築基準の規制などがネックとなっているケースもあることから、区域内では建築基準法の接道規制の合理化等を行うことができるようになりました。
制度運用にあたっての考え方は「空家等活用促進区域の設定に係るガイドライン」が基準となっています。

 

空家等管理活用支援法人(法第23条~第28条)

この制度は各自治体が、特定非営利活動法人、一般社団法人若しくは一般財団法人などの空き家の管理・活用を図る活動を行う団体を「空家等管理支援法人」に指定できるものになります。
空き家問題の課題として、相談窓口や空き家に関する情報が入手しずらいなどの問題がありました。
その問題を解決するために、空き家対策を行う自治体の補完的な役割と、空き家所有者に対しての相談・対応などを行い、空き家の活用の推進を行うこととなりました。

 

所有者把握の円滑化(法第10条第3項)

空き家問題の課題のひとつとして、所有者の把握が挙げられていました。
今回の改正により、市区町村長が空家などの所有者等の把握に関して必要な情報を電力会社やガス会社などに対して情報の請求ができるようになりました。
上記により、所有者不明の空き家などの特定を促すことを期待されています。

 

行政代執行の円滑化(法第22条第11項)

①緊急代執行制度(法第22条第11項)

これまで特定空家等に対して代執行する際、助言・指導→勧告→命令の手続きを経る必要がありました。
しかし、雨・風などにより特定空家が倒壊しそうな場合や周辺住民に危険が及ぶ可能性があり、緊急に安全を確保する必要があった際に関しても手続きを行うことが必要で各自治体の対応が遅れてしまう点が課題でもありました。
このため、改正により災害その他非常の場合において、危険な状態であり、必要な措置をとるように勧告された特定空家等については、命令等の一部の手続きを経ずに代執行ができることとなりました。

 

②略式代執行・緊急代執行時の費用徴収(法第22条第12項)

従来、空き家等の所有者が不明な場合に行う略式代執行は、後から所有者等が判明した場合の費用徴収の定めがありませんでした。
改正により、略式代執行・緊急代執行の費用について、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の費用徴収規定を準用し、国税滞納処分により徴収できることとなりました。

 

 

4.空き家を放置しないためには

上記では空き家がもたらす外部への影響と空家法改正についてご紹介しました。
今回の空家法の改正では所有者への責務も強化されました。
従来の適正な管理の努力義務に加え、国、地方自治体の施策に協力する努力義務が課されることとなります。
空き家は放置される期間が長くなればなるほど、老朽化や損傷のスピードが早くなり、結果として売買や賃貸等の活用が難しくなってしまいます。
また空き家を放置することで周辺住民にも迷惑をかけてしまう可能性が生じます。

空き家を所有しており将来活用の予定がない場合は、早めに「売却」「賃貸」「解体」等の対処法を決め、様々なサービスや制度を活用することをおすすめします。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

 

出典:国土交通省:空き地・空き家等外部不経済対策について
政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」