2024年4月30日
【コラム】法改正!「管理不全空き家」とは?
今回は令和5年(2023年)12月13日に施行となり、新しく改正された「管理不全空家」について紹介いたします。
空き家を放置しておくと様々なリスクが生じる可能性があります⚠️
■そもそも「空き家」とは?
国土交通省では下記にような状態の住居のことを空き家と定義しています。
●1年以上住んでいない、または使われていない
●人の出入りもなく、電気、ガス、水道の使用がない
●物件の登記記録や所有者の住民票の内容が空き家の住所と異なる
下記ではさらに空き家の種類についてご説明します。
■「管理不全空家」とは?
近年、社会問題となっている空き家問題の対策の為、令和5年(2023年)12月13日に施行となった「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」により新設された空き家の区分です。
では「管理不全空家」とはどのような状態のことを指すのでしょうか。
下記の状態の場合は「管理不全空家」に指定される可能性があります。
● 壁や窓の一部が腐食、破損、落下の恐れがある
●雑草や枯草が管理されていない(病害虫などが発生する可能性)
●敷地内にゴミなどが散乱、放置されている
●犯罪数が増加する可能性
倒壊の可能性や周囲に悪影響を及ぼす可能性のある空き家を「管理不全空家」に指定することで行政の指導・勧告を容易にすることで早期改善を図る目的があります。
これまでの「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」では「特定空家」のみでしたが増加する空き家問題解決の為、改正されました。
併せて、「特定空家」についても説明いたします。
■「特定空家」とは?
平成27年(2015年)に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により定義されました。
「特定空家」とは空き家の定義とあわせ下記のような状態の住居は自治体より「特定空家」と指定される可能性があります。
●そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
●著しく衛生上有害となるおそれのある状態
●適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
●その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
「特定空家」と「管理不全空家」における違いとしては大きく異なる点として「管理不全空家」は所有者に管理を促す措置に対し、「特定空家」は所有者に行政の直接介入ができます。
だた、「管理不全空家」は行政の直接介入がないからと放置しておくと「特定空家」に指定される可能性もあるので注意が必要です。
では令和5年(2023年)「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」により知っておきたいポイントを確認していきましょう。
特定空家に加えて管理不全空家も市区町村からの指導・勧告の対象となりました。
法改正により新たな空き家の区分が新設されたことにより、空き家を所有している場合、行政の指導・勧告を受ける可能性が増えることとなります。
また、行政から「特定空家」・「管理不全空家」として指導を受け、それに従わずに勧告を受けると固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなります。
国定資産税等の住宅用地特例とは?
土地に対する固定資産税等が課税される年の1月1日(賦課期日)において、住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(住宅用地)は、税負担が軽減されます。
固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)とは、住宅政策上の見地から設けられている優遇税制です。土地が住宅用地に該当していれば、固定資産税が減税となり建物が建っている土地の固定資産税が1/3もしくは1/6となります。
つまり、「特定空家」・「管理不全空家」に指定されると固定資産税の負担が大幅に増加する可能性があるため固定資産税対策として空き家の処分や除却を検討する必要があります。
上記のように、法改正により空き家をそのままにしておくと固定資産税の負担など所有者にデメリットが生じます。
また空き家を放置することで放火や不法投棄、犯罪拠点になる可能性もあり近隣住民にも大きな影響を及ぼします。
遠方の為、空き家の管理が難しい場合は管理代行サービスの利用や、売却、解体、賃貸などの対策が必要です。
また将来的に居住・活用の予定がない場合は売却が最も費用が抑えられる方法としておすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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