お知らせ

2024年6月9日

【コラム】令和5年住宅・土地統計調査から見る空き家問題

2024年4月30日、5年に一度おこなわれている、住宅・土地統計調査が発表されました。
今回は、令和5年住宅・土地統計調査の結果と合わせ、空き家の現状や空き家増加の背景や関連法案や各自治体の取り組みなどについてご紹介します。

 

■目次


●総務省 住宅・土地統計調査の目的
1.総住宅数
2.空き家
3.住宅・土地統計調査から
・総住宅数の増加
・賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家の増加
4.空き家に関する法改正
5.空き家を放置しないために
6.まとめ

 

総務省は「令和5年住宅・土地統計調査」(速報集計)を公表しました。(確定値は令和6年9月頃公表予定)

住宅・土地統計調査は昭和23年以来5年ごとに実施しており、令和5年住宅・土地統計調査は16回目に当たります。

この調査の目的としては、住宅・土地の保有状況及び世帯の居住状況の実態を調査し、その現状と推移を全国及び地域別に明らかにし、住生活関連施策の基礎資料を得ることを目的としています。

今回の令和5年の調査では、空き家対策の重要性が年々高まっていることを踏まえ、引き続き、空き家の所有状況の把握、超高齢社会を迎える日本における高齢者の住まいをより的確に把握することを主なねらいとしています。

 

総務省:令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果

 

1.総住宅数

日本国内の総住宅数は6502万戸(2023年10月1日現在)、前回調査の2018年から4.2%(261万戸)の増加となりました。
総住宅数はこれまで一貫して増加が続いており、過去最多となりました。

総住宅数を都道府県別にみると、東京都が820万戸と最も多く、次いで大阪府が493万戸、神奈川県が477万戸。
また、2018年からの総住宅数の増加率を都道府県別にみると、沖縄県が7.2%と最も高く、次いで東京都が6.9%、神奈川県及び滋賀県が5.9%となっています。

 

2.空き家

 

総住宅数のうち、空き家は約900万戸と、2018年(849万戸)と比べ、51万戸の増加で過去最高となっており、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.8%と2018年(13.6%)から0.2ポイント上昇し、過去最高となりました。

 

空き家数の推移をみると、これまで一貫して増加が続いており、1993年から2023年までの30年間で約2倍となりました。

空き家数の内、「賃貸・売却活用及び二次的住宅を除く空き家」は385万戸と、2018年(349万戸)と比べ、37万戸の増加となっており、総住宅数に占める割合は5.9%となっています。

また前回調査では、空き家の種類について賃貸や売却、二次的住宅以外の空き家を「その他空き家」と表記していましたが、今回の調査より「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」と表記変更されており、未活用の空き家を国としても問題視しているのではないでしょうか。

 

空き家率を都道府県別にみると、和歌山県及び徳島県が21.2%と最も高く、次いで山梨県が20.5%となっています。
また、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」を都道府県別にみると、鹿児島県が13.6%と最も高く、次いで高知県が12.9%、徳島県及び愛媛県が12.2%となっており、西日本で高い傾向となっています。

 

 

3.住宅・土地統計調査結果から

 

調査結果からもわかるとおり、総住宅数は増え続けています。
日本では「新しいものが良い」という考え方が根強く、新築住宅が好まれる傾向にあります。

実際に注文住宅取得世帯に対する調査でも約6割の方が中古住宅にしなかった理由として「新築の方が気持ち良いから」と回答しています。※1
こうした新築住宅が好まれる傾向が強いことも総住宅数が増え続ける要因の一つとも考えられます。

日本の新築住宅着工戸数は人口が約2.5倍のアメリカに近い水準で推移している一方で、中古住宅の流通戸数はアメリカの10分の1以下とみられ、中古住宅の流通の活性化が問題となっています。※1

もちろん、新築住宅のメリットもあるため一概には言えませんが、日本全体として中古住宅の流通を活性化させることが空き家対策に繋がるでしょう。

 

また、少子高齢化や世帯数の減少も要因の一つとして挙げられます。
総人口の減少に対して住宅総数は増加傾向にありますが、これは核家族化により親・子・孫と3世代が同居する家族の形態が変化したことが大きく影響しているでしょう。
子どもが独立して実家を離れて新たな住宅を所有する、親が高齢になると一人暮らしや夫婦だけの生活となり、最終的に施設に入居するケースも多くみられます。
その結果、実家がそのまま放置されてしまい空き家となります

 

次に調査結果より、「賃貸・売却活用及び二次的住宅を除く空き家」の割合が増えていることがわかります。

「賃貸・売却活用及び二次的住宅を除く空き家」とは、賃貸や売却の予定もなく、また別荘などの二次的な活用もされていない住宅のことを指します。
上記の活用されず放置された空き家が全国で増加し社会問題となっています

この放置された空き家を無くしていくために、2023~2024年に様々な法改正が行われました。

 

4.空き家に関する法改正

「改正空家対策特措置法」の改正

令和5年12月13日、「改正空家対策特措置法」が改正され、適正管理を行わず「管理不全空家」に指定された空き家は市区町村からの指導・勧告の対象となりました。
また指導・勧告を受けると固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなりました

これにより自治体の介入のハードルが下がり、放置すると危険な状態な空き家に対して迅速な対応が可能となりました。

「相続登記の義務化」


令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。
これにより、所有者がわからない所有者不明土地を減らすことを目的としています。

①相続によって不動産を取得し相続人は、その所有権を取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません

②遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。

①と②のいずれについても、正当な理由(※)なく義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります

(※)相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の資料収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケースなど。

上記のように、不動産を取得すると知った日から3年以内に相続登記の申請を行わなければ罰則を受けることになりかねません。

 

5.空き家を放置しないために


親が元気なうちに話し合って方針を決めることが大切です。

空き家の発生の原因は、半数以上が相続によるものです。ご両親が元気なうちに話し合い、実家をどうするのか、方針を決めておくことが大切です。

①空き家を解体する

空き家を解体することで、管理などのわずらわしさを解消することができ、また売却の際にも老朽化した建物が建っている土地より更地の方が高い価格で売却することができます。
また空き家を解体する場合、各自治体によっては補助が受けられる場合があります。
詳細については各自治体のサイトや窓口に問合せすることをおすすめします。
ただし、更地にしてしまうと固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなるので注意が必要です。

②空き家を売却する

空き家を相続等で取得した場合、空き家を売却するに当たって一定の条件を満たせば、所得税・個人住民税において譲渡所得から3,000万円までの控除される特例措置を受けることができます。

主な要件については下記をご確認ください。
国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得3,000万円特別控除)」

③空き家管理代行サービスを活用する

空き家が遠方にあり、ご自身で管理が難しい場合は空き家の管理代行サービスの活用も有効的な手段のひとつです。
今後空き家の活用予定がある場合には有効ですが、活用の予定がない場合は費用がかかるため長期的にみると費用がかさんでしまうことになります。

④空き家を貸し出す

建物は誰も住んでいない状態が続くと、老朽化がどんどん進んでしまい、結果としてすぐに人が住めない状態になってしまいます。
建物を長く使うためには使い続けることが大切です。人が住むことにより湿気や害獣・害虫の発生を防ぐことができます。
また、家を売却することに抵抗がある方も手放すことなく空き家を活用することができる選択肢のひとつとして有効です。

 

6.まとめ

今回は、令和5年 住宅・土地統計調査結果からみる空き家問題に注目してみました。
調査結果からもわかるとおり、空き家問題は身近な問題となりつつあります。
相続に関して話し合うことは、ご自身や家族、地域を空き家のリスクから守ることにも繋がります。
一度、実家に関して話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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出典:「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)
   「令和4年度住宅市場動向調査報告書」(国土交通省 住宅局)
※1「欧米との比較における日本の住宅市場の特徴」住宅金融支援機構